あらすじ?
「まるで幽霊を追いかけているようだーーー」…長い話で460ページも有りました。
放火殺人事件の犯人を追うストーリーですが、なかなか真犯人がみつからない。五代とバディを組んでる「山尾」が怪しいというところまで読んで全体の半分くらいで、あともう半分もあるの!?と読んでいてびっくり。
山尾が隠していた真実、すべてが明らかになったときのいろんな愛の形、なんだか考えさせられるストーリーでした。
【ネタバレ】登場人物関係図

殺害された藤堂夫妻、担当刑事の五代とバディの山尾。
捜査を進めていく中で、山尾の言動に違和感を覚える五代。でも山尾にはアリバイがあるし、なんかかくしてそうなんだよね〜って感じで捜査を進めていくと、エリコ婦人・山尾は高校時代同級生だった!しかも藤堂は山尾が所属していた山岳部の顧問!繋がりみーっけ!ということでどんどん捜査を進めていく。
山尾が山岳部で一番なかが良かった永間に調査協力しようと思ったらすでに亡くなっていた…。大学受験に失敗して、自宅のマンションから飛び降り自殺だったようです。しかも永間は大学受験前までエリコと付き合っていて、受験に集中するために別れていた。なんだか怪しいですねぇ。
また、エリコが贔屓にしていた児童保護施設に話を聞きに行くと、山尾のPCに保存されていた女の子と同じ女の子の写真が!!これは一体誰なんだ!ってことで調べてみると、エリコのメイドをしていた「みさき」という女性の娘「まなみ」だった。なぜ山尾がまなみの写真を…?
いろんな伏線が、無駄なく散りばめられていて、最後ちゃんと回収されてて飽きることなく最後まで読めました。
↓ネタバレ↓
みさきはエリコと山尾が一度きりの関係のときにできた子どもだった。高校卒業してすぐだったため、エリコが子どもを育てられるはずもなく、児童保護施設に預けるしかなかった。
エリコと藤堂が結婚し、都議会議員になっていた藤堂は、教え子が警察官になったことを聞き、自分家の近くに山尾を配属させていた(都議会議員ってすごい)
藤堂は山尾に「最近、エリコが可愛がってる子がいてねぇ…みさきっていうんだけど、この子のこと調べてくれない?」と言われみさきについて調べ始めると、山尾は自分が父親だということを確信。藤堂はエリコと山尾の関係を知らなかったため、山尾は「藤堂とエリコの高校時代の娘、みさき」として藤堂に伝えていた。
みさきは結婚し、娘を女手一つで育てていたが不良少女に育ってしまい、手を焼いていた…。実の母のエリコに相談したが「迷惑かけないで!どうしてそうなるの><遺伝子が悪い!」と冷たくあしらわれ、「てかあんただって私のこと施設に入れてたじゃん!あんたのせいじゃん!!」とキーっとなって首絞めて殺害。
やっちまった…とトボトボ家に帰り、いつ警察に捕まるのかガクブルして過ごすが、全然警察なんて来ない。ニュースを見ると、藤堂の家は火事になっており、夫婦が殺害されていた、、、という報道内容にびっくり。一体どうなっているんだ、、、
実は、エリコが殺害されたあとに帰宅した藤堂は、エリコが死んでいることにびっくり!だれの仕業だ!とインターホンの履歴をみると自分とえりこの隠し子みさきが…すべてを悟った藤堂は、自身の首を絞めたあと火事になるように仕向け、みさきが捕まらないように「架空犯」を作り上げ自害したのであった。
なぜそれを山尾が隠していたか、というと藤堂のタブレットと手紙が山尾のもとに届き「みさきを守ってほしい」という依頼だった。藤堂は自分の娘を犯罪者にするわけには行かないと思い、山尾も自分の娘と孫娘を守るために藤堂の依頼に応じた。そんなストーリーでした!良く出来てる!
総評星4.0 面白いけど長い
全体的に納得できたし、伏線も回収もちゃんとされてて読み終わってサッパリ。いい気分。みさきの殺害動機がわからなくないけど、殺すほどなのかという気持ちもあるけど、まぁいいかな。。。
すべて解決して山尾の高校時代の同級永間のママに、五代がお礼を言いに行く場面があり、山尾くん疑われてたけど犯人じゃなかったのね〜。なんで犯人をかばってたのかしら?というところの掛け合いがすごい良かった。
「片思いでした」
ーー「それは素敵」
「素敵ですか?」
ーー「素晴らしいじゃないですか。下手に両思いになったりするから失恋する」
ーー「片思いのほうが幸せなことだってあるのよ」
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